前回の続き。
仲良しになるには相手に近づくことが必要で、
相手に近づくモチベーションは、
相手をかわいいと感じることではないか、
とは前回の愚考の結果。
前回に書いたように、
よく聞く「守りたい、育てたい」という気持ちとは
直接結びついていないことにご注意を。
※ 例えば、かわいいボールペンを手に取ってよく見てみたいとは思っても、
守ってあげようとは思わない、ってところ。
今回は ・・・
最初から謝ろう。
ごめんなさい。
猫が猫にかわいいと思ってもらう方法。
そんな魔法ははたしてあるのか?
何せ、猫が猫のどこを「かわいい」と思うのかすらわからない。
離れた相手に近づく動機になるのだから、
かわいいと感じるポイントは、
ある程度距離があっても気が付くものだろう。
となると、視覚か臭覚か、聴覚に訴えるかわいさ、か。
猫に負担にならない、という条件を付けると、視覚だな。
視覚なら、自分の姿は見えないから自分を刺激することがない。
りん 「しかくじゃなくて、まるだみゃん」
猫がみんなお饅頭ならいいのか?
まぁたしかに、丸っこい体というのはベビースキーマに沿うけど。
猫にも通用するそうなので、赤ちゃん猫や子猫の特徴は、
「かわいい」と思わせるのに有効と考えられる。
兄弟姉妹や、迎えた頃に子猫だった同居猫なら
相手の子猫時代を見ているので、
子猫の面影を相手に見ることもあるかもしれない。
これが兄弟姉妹や子猫が仲良し相手になりやすい一因と推察する。
だが、任意の相手の姿を子猫に似せることはできない。
それでは、偽の子猫時代の記憶を刷り込めるか?
相手の猫と外見が似てる子猫の動画を見てもらうか?
そんな都合のいい動画があるか?
あっても見てもらえるか?
見ても、それで肝心の相手にその子猫を重ねて見てもらえるか?
実験してみたい気もするが、成功確率は低そうだ。
ベビースキーマに頼らない方法はないか?
人であれば、かわいい仕草という概念があって、
特定の仕草にかわいさを見出す人々がいる。
だがそれも相手が猫となると、
どんな仕草をかわいいと思うかなんて、さっぱりわからない。
座ったときの手の揃え方か?
しっぽの振り方か?
そもそも仕草にかわいさを見出すのか?
見出すとしても、猫にその仕草をしてもらう方法がない。
みう 「ねこは かわいいで できてるですぅ」
そのかわいいは人相手だがなぁ。
猫相手に「かわいい」と思ってもらうには、どうしたらいい?
何か良い方法があるにせよ、
視覚に訴えるかわいさを利用する以上は
相手を見る必要がある。
見る頻度は高い方がかわいさに気づく確率も上がる。
なので、やはり狭い空間に高い猫密度で生活してもらうのは
相手をかわいいと思う機会を増やす意味でも有効なのではないだろうか。
これで終わってしまうと、後ろ指を刺されるどころか、
夜の闇で背後から包丁で刺されそうなので、
もう少しなんとかなる部分がないか、考えてみる。
で、相手を見たら追いかけるとか、
仲良し製造にはあまりうれしくはないが、
繰り返されてしまう行動について愚考してみた。
かわいいものを見ると、
人の場合は脳内にも楽しいことが起こる。
「快楽物質」ドーパミン、「愛情ホルモン」オキシトシン、
「幸せホルモン」セロトニン等の分泌、効果の発現とか。
※ 「快楽物質」「愛情ホルモン」「幸せホルモン」という枕詞は
これらの物資の働きの一部を端的に表したもので、
こういった働き以外の働きもする。
細かいことは解説記事に任せて、端的に書くと、
● かわいいものを見て、近づいたり触ったりすることで幸福感を感じる。
● かわいいものの記憶と行動の記憶の繋がりが強固になり、
かわいいものを見たときの行動を繰り返すようになる。
猫でも似たような脳内反応がおこるのであれば、
一旦相手をかわいいと思って、
例えばグルーミングすると、
次からは、またグルーミングする確率が上がり、
フィードバックが掛かって、幸福感もアップ。
相手も、母親を思い出すとかで
グルーミングされることを好意的に思えば、フィードバックが掛かって、
めでたく、グルーミングするされるの関係の出来上がり、
と上手くいけばいいな~
みう 「しあわせまやくですぅ」
そういうことなら、溺れてもらっても一向に構わないぞ。
ところが、グルーミングされるには、
相手が近寄るのを許し、
前肢と爪、歯と顎の攻撃範囲に
自分の体をさらけだす必要があるのだ。
これを嫌う、いつ攻撃されるかの緊張感に耐えられない、
で、逃げる。
逃げ切れればプレッシャーから解放され、生きている実感が味わえる。
繰り返されれば、やはり成功体験としてフィードバックが掛かる。
つまり、相手を見れば反射的に逃げるようになってしまう。
これでは、相手が近寄ってきてくれても仲良くなれない。
どうしたらいいだろうか?
対処の一つの方法は、フィードバックループを壊すことである。
例えば、逃げ切れないようにする、かな。
逃げ切れなくすれば、他の行動をとるしかなくなるので、
これまで掛かっていたフィードバックは掛からなくなる。
そうした上でどうするかは、また問題なんだけど。
りん 「にげきれないから かくれるみゃん」
お前らの追いかけっこは遊びだから問題なし。
逃げ切れないようにするには、今までの愚考の結果に沿うと、
やはり狭い空間に高い猫密度で生活してもらうのが
有効なのではないだろうか。
ちゃんと逃げ場は用意して、そこに逃げ込めば
とりあえず安全は確保できるようにはしておく必要はあるが。
とまぁ、今回はこの長編ぐたぐた話のトリのような主題なのに、
全くもってどうしようもない。
私の個人的な愚考の結果なので、
らしいといえばらしいのだが。
付き合っていただいた方々には、本当に申し訳ない。
一般的と思われる猫の特性と仮定してさえ、
仲良しへの道は、未だ道らしき道さえ見つけられず、
富士の樹海か南米の熱帯雨林を装備なしで彷徨うかの如く。
簡単手軽な処方箋はない、とはっきりしただけでも良しか。
少なくとも、狭い空間に高い猫密度で生活してもらうことは
仲良し製造には有効そうだ。
中途半端な結果ではあるが、
今回の話に長々お付き合いいただきありがとうございました。
※ 臭覚に訴えて相手に(相手が)近づく動機付けになると言えば、フェロモンが有名。
性フェロモンは異性限定かもしれないが、
蟻の道標フェロモンのように、情報伝達に使用するフェロモンで相手を誘導するものもある。
猫も匂いで情報交換をするそうだから、
あるフェロモンを感じると相手が気になってしまう、そっちの方へ行ってみたくなってしまう、
そんな誘因性のフェロモンが猫にもないだろうか?
フェロモン商品と言えばフェリウェイか。
マーキングに使うフェロモンだそうで、周囲に噴霧するとマーキングする必要がなくなり、
問題行動を抑えるのだとか。
噴霧すれば仲良しになる確率が上がるフェロモン商品。
開発できれば売れると思うんだが、どこか研究してないかな?
喧嘩を抑える効果とかなら、それなりに有用かと。
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