また、かごめかごめ。
でも、「恐くない」って挑発されちゃったのだ。
この挑発に、カミウンスカ教室の助手である、
樹木貴りんさんが乗っかっちゃったのだ。
樹木貴りん助手 「りんは誰の挑戦でも受けるみゃん」
被り物で威勢良く見せようとしてる 風。
でも、実際はトンネルに引っ込んでる樹木貴さん。
助手 「『かごめかごめ』が恐いのは」
「わざと恐い解釈をするからみゃん」
「猫目だって恐いって言う人はいるみゃん」
まぁ、猫目はともかく、
顔の大きさと、
後ろに写ってるしっぽの小ささとの釣り合いが壊れれて、
確かに、怖いよ。
助手 「最後の『後ろの正面だ~あれ』」
「この文の解釈次第で、面白くも恐くもできるみゃん」
「りんは真後ろに首を向けられから」
「後ろの正面は直接確認できるみゃん」
えっと、真後ろを向く首はリアルに恐いが ・・・
助手 「りんの最新の解釈はこんな感じみゃん」
時は江戸時代、
主人公は住み込みの女中、
名は「おかめ」。
厨(台所)で片づけ中のおかめの後ろから家の主人が
「甕(かめ)の中の酒の残りはいつ出てくるのか」
と尋ねたら、
おかめが「夜にお燗にしましょうね」
と答えて振り向いた瞬間、
サザエさんの如く、つるっと滑ってすってんころり。
後ろには家の主人が申し訳なさそうに立ってましたとさ。
♪ おかめ おかめ(かごめかごめ)
甕(かめ)の中の 残りは(籠の中の鳥は)
いついつ出やる(いついつ出やる)
夜酒の燗に(夜明けの晩に)
つるっとおかめが滑った(鶴と亀が滑った)
後ろの正面だ~あれ(後ろの正面だ~あれ)
助手 「昔のおうちはフローリングだから」
「ピカピカにしちゃうと却って危険みゃん」
あ、教授の椅子に勝手に座ってるな。
まぁ、それは置いておいて、
樹木貴さん、これじゃ恐くないぞ。
助手 「が~~ん みゃん」
「でも、解釈を変えるだけで」
「同じ歌詞でも怪談になるみゃん」
件の家の先代は無類の酒好きで、
酔っぱらってすってんころりん。
頭を打ってお亡くなりに。
お通夜の晩、片づけが夜中にずれ込んだおかめ(豪胆という噂)。
灯明皿1つ、頼りない炎がゆらゆら厨を照らす中、
背後から小さな、でもはっきり聞こえる声が ・・・
「おかめやおかめや、甕の中の酒の残りはいつ出てくるのかね」
「明日の夜にお燗にしましょうね」
と答えるおかめ。
その時、ふっと灯りの炎が消える。
おかめの声に返答がない。
風の音だけが妙に耳をつく。
さっきの声は亡くなった先代に似てる。
そして急に肩を掴まれる!
慌てて逃げようとして、つるっと滑って転んでしまうおかめ。
その背後には ・・・
♪ おかめ おかめ(かごめかごめ)
甕(かめ)の中の 残りは(籠の中の鳥は)
いついつ出やる(いついつ出やる)
夜酒の燗に(夜明けの晩に)
つるっとおかめが滑った(鶴と亀が滑った)
後ろの正面だ~あれ(後ろの正面だ~あれ)
お~、ちゃんと恐い話になってるな。
助手 「当たり前みゃん」
「りんの最新の研究成果みゃん」
「最後の『誰』を誰にするかで恐くできるみゃん」
助手 「りんの苗字の『樹木貴』は『ききき』じゃなくて」
「『き』が3つで『みつき(→ 美月)』って読むみゃん」
「美しい月って、りんにピッタリみゃん」
樹木貴 りん(みつき りん、Rin Mitsuki)
阪神猫科大学民俗学カミウンスカ教室所属。助手。
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