先日、人の減量について考察したので、
今回は本命の、ネコさんの減量について愚考してみる。
話の前に。
詳しい方はご存知の通り、
手っ取り早く減量させようと絶食させるのは大問題で、
急性の脂肪肝(肝リピドーシス)になる確率が高くなる。
今回は、急を要しない減量についての話。
※ 追記※1
ここから、本文。
ここで架空のケースとして、
体重5kgで適正と思っていたが、骨格から見ると太目、
と医者から減量を言い渡されてしまった、
タマちゃんの主食はロ○カ○イ○ド○のカリカリ(375kcal/100g)。
魚を咥えた猫を裸足で追いかけるような飼い主は、
袋記載の給与目安65gを盲目的に与えていたが、
この飼い主なら太目の猫用の目安52gにごはんを急減しかねない。
なので、タマちゃんは
タマ 「運動するから、ごはんはいつも通り!」
タマ 「でも 俺は何も悪くない! 太って見えるのは錯覚だ!」
しかし、メーカーも65g - 52g=13g=20%も減らせとは、
きついことを言う。
なので、13g=49kcal減には10mダッシュ11.6回が必要だ。
タマちゃん、運動での体育会減量は諦める。
※ 追記※2
りん 「まいにちまいかいダッシュなんて じごくみゃん」
もう少し現実的になると、
減量という目的をもって適量の運動を続ける、
なんてことを猫には理解してはもらえない。
ある日は運動してくれたが翌日はさっぱり、
では運動の効果も激減である。
目的もわからずにきつい運動をするより、
コントロールも継続も容易なごはん量調整をメインにした方が、
猫の減量には適しているだろう。
タマちゃんには残念ながらごはん量削減を受け入れてもらうしかない。
その上で、筋肉量維持のための運動を追加。
ごはんは、筋肉のため高蛋白で、
脂肪をこれ以上付けないため低脂肪のものに切り替えるのがいいだろうな
(栄養素の最低必要量は確保した上で)。
みう 「おもちゃであそぶのも きぶんしだいですぅ」
タマちゃんにわずかながらの朗報があるとすれば、
ごはんの削減はいきなりではなく、
様子と体重を見ながら徐々に慣らしていく方がいいかな、ってことか。
個体差もあるので、
結局どの程度カロリーカットすればいいのかは手探りになる。
カロリーの削減量と体重の減少量を見ながら、
適切なカロリー削減量に落ち着けるのがいいだろう。
うまくいけば、20%もカロリーカットしなくても済むかもしれない。
りん 「りんはごはん20%へってもだいじょうぶみゃん」
ムラ食いの、たまに20%減は、20%減らしたとは言わんからな。
毎日、毎回、いつもいつも20%減だからな。
もう1つ、猫の減量には残念な話。
猫は43:57、
チーターで55:45、
犬で80:20、
人で70:30とか。
これは何の数字かというと、筋肉の遅筋:速筋の割合である。
ざっくり書くと、遅筋(線維)は脂肪と酸素を使う長時間運動用、
速筋(線維)は糖等を無酸素で使う短時間高瞬発力用の筋繊維。
猫はスタミナ0で有名なチーター並みに遅筋の割合が少ない。
※ 追記※3
チーター 「儂よりスタミナの無い子がおったとはのう」
遅筋が多いほど長時間の有酸素運動で脂肪を燃やせるのだが、
つまり、猫はチーター並みに持久力がなく長時間運動が苦手。
瞬発力にものを言わせた待ち伏せ型の狩りを選択した先祖のせいである。
猫が運動で脂肪を燃やす有酸素運動が苦手と言われるのは、
この遅筋の少ないスプリンター型筋組成が原因が1つと思われる。
猫が体を鍛えてないから持久力がないとか言うわけではない。
※ 追記※4
りん 「うんどうしてもやせにくいのは ねこのとうぜんみゃん」
猫だって脂肪をエネルギー源として使えるのだが、
どうもうまく使えてない感じがする。
使うための筋肉は少ないし、
緊急で大量に脂肪を使おうとすると脂肪肝の危険性が高くなる。
ほどほどに蓄えて、ほどほどに使う、
というのが猫に合った脂肪の使い方のようである。
※ 追記※5
太っちゃったら、まずはごはんを減らして減量、
次いで運動と高蛋白ごはんで筋肉増量、だな。
みう 「ふとらず やせず ごろごろで エネルギーおんぞんですぅ」
「それが ねこのからだにあったせいかつですぅ」
「へたにふとってごはんがへるのは だんこきょひですぅ」
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